91/01/27 21:22:55 YAMAZAKI 随筆(1) さだきち
 
 最近、次の本を読んでいます。
 
  にんげんだもの
      相田みつを
       文化出版社
 
 現代人が忘れかけているものを思い出します
 
 みなさんも、よろしかったら読んでみてくださいね。
 
 (本からの抜粋)
 
 花を支える枝
 枝を支える幹
 幹を支える根
 根はみえねえんだなあ
             みつを
 
 わたしは長い歳月
 上にのびることばかり考えてきて
 土の中深く根を張ることを
 忘れていたようです
 
 ヒョロヒョロと高くのびて
 雑然と枝葉がのびてひろがるようになったとき
 幹や枝葉の重みに耐えられない
 根の弱さに
 わたしは初めて気がついたのです
 
 気がついた時には手をくれでした
 手遅れとわかったとき
 わたしは思い切って
 枝葉をおとすことにしました
 土の中のわたしの弱い幹に支えられるだけの
 わずかな枝を残して
 あとは ばっさりと切り捨てました
 
 それは
 根の弱い 幹の細い 力のない者が
 なんとか生きていくための
 消極的な しかもそれなりに
 勇気のいる生活の知恵でした
 
 とはいうものの
 枝葉をおとすとき わたしは
 やっぱり さびしい気がしました
 もったいないなあと思いました
 
 しかし おかげさまで いまでは
 眼に見えない土の中で
 弱かった根が新たな活動を始めたようです
 枝葉を切り捨てた分だけ
 いや それ以上かも
 だれにも わからない根だけが知る
 静かな充実感を持ちながらーーーー
 
 
21  17 91/01/27 21:23 YAMAZAKI   随筆(2) さだきち
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91/01/27 21:23:24 YAMAZAKI 随筆(2) さだきち
 
 にんげんだもの 相田みつを より
 
 いいことは おかげさま
 わるいことは 身から出たさび
 
 
 バカのおかげで お利口がひかる
 
 落ちてくれる人のおかげで 合格できる
 
 負けてくれる人のおかげで 勝たせてもらう
 
 脇役のおかげで 主役ができる
 
 職場あるおかげで 働ける
 
 
 こんなことを思っている人って少ないよね。
 とかく人間って、
 よいことは、自分に力があるんだって思って
 悪いことは、人のせいにしちゃうもんね。
 特に、頭の高い人はねーーー。
 
 
 
21  18 91/01/27 21:24 YAMAZAKI   随筆(3) さだきち
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91/01/27 21:24:00 YAMAZAKI 随筆(3) さだきち
 
 うばい合えば 足らぬ
 わけ合えば あまる
 うばい合えば 憎しみ
 わけ合えば 安らぎ
 
       相田みつを
 
 
 今、戦争をしてる人たちに、言ってあげたい言葉ですねーーーー。
 なぜ人間は争い合うんですかねーー。
 足ることを知らない人間の欲望は、
 どこまで続くんでしょうか?
 
 
21  19 91/01/27 21:42 YAMAZAKI   随筆(4) さだきち
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91/01/27 21:42:46 YAMAZAKI 随筆(4) さだきち
 
@この世は
 わたしが わたしになる ところ
 あなたが あなたになる ところ
 
     にんげんだもの 
             相田みつを
 
 トマトにねえ
 いくら肥料をやったってさ
 メロンには ならねえんだなあ
 
 トマトとね
 メロンをね
 いくら比べったって
 しようがねえんだなあ
 
 トマトより
 メロンの方が 高級だ
 なんて思っているのは
 人間だけだね
 それもね
 欲の深い人間だけだな
 
 トマトもね メロンもね
 当事者同士は
 比べも競争もしてねんだな
 トマトはトマトの命を
 精いっぱい生きているだけ
 メロンはメロンの命を
 命いっぱいに
 生きているだけ
 
 トマトもメロンも
 それぞれに 自分の命を
 百点満点に生きているんだよ
 
 トマトとメロンを
 二つ並べて比べたり
 競争させているのは
 そろばん片手の人間だけ
 当事者にしてみれば
 いいめいわくのこと
 
 「メロンになれ メロンになれ
  かっこいいメロンになれ
  金のいっぱいできるメロンになれ」
 と 尻ひっぱたかれて
 ノイローゼになったり
 暴れたりしているトマトが
 いっぱいいるんじゃないかなあ
 
 
21  20 91/01/27 22:01 YAMAZAKI   随筆(5) さだきち
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91/01/27 22:01:40 YAMAZAKI 随筆(5) さだきち
 
@苦しいことだってあるさ
 人間だもの
 迷うことだってあるさ
 凡夫だもの
 過ちだってあるさ
 おれだもの
 
      にんげんだもの
              相田みつを
 
 禍福はあざなえる縄の如し
 苦しい時は、もう少し我慢すれば
 きっと幸せがくるよ
 
 迷ったときは、軽い気持ちで
 よいと思う道を進もうよ
 まちがった道だったら、ひきかえせば
 いいじゃない
 
 まちがえのない人間なんていないよね
 いつも失敗の連続さ、人生なんてねーー。
 
 
21  21 91/01/28 21:46 YAMAZAKI  4 随筆(6) さだきち
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91/01/28 21:46:03 YAMAZAKI 随筆(6) さだきち
 
 ぐちを こぼしたっていいがな
 弱音をはいたっていいがな
 人間だもの
 たまには 涙をみせたっていいがな
 生きているんだもの
 
          相田みつを
 
 あんなに世話をしてやたのに
            ・・
 ろくな挨拶もしない
 
 あんなに親切にしてあげたのに
             ・・
 あんなに一生懸命つくしたのに
             ・・
 のに・・・・・
 のに・・・・・
 のに・・・・・
 
 のに が出た時は ぐちですね
 たまにはいいかもしれないけど
 こっちに のに がつくと
 むこうは 
 「恩に着せやがってーー」
 と思う
 
 庭の水仙が咲き始めました
 水仙は人に見せようと思って
 咲くわけじゃないんだなあ
 ただ咲くだけ
 ただひたすら・・・・
 
 人が見ようが見まいが
 そんなことは おかまいなし
 ただ 命いっぱいに
 自分の花を咲かすだけ
 自分の花をーー
 
 花は ただ咲くんです
 それをとやかく言うのは人間
 ただ ただ ただ ーーー
 それで おしまい
 それっきり
 
 人間のように
 のに なんて ぐちは
 ひとつも 言わない
 だから 純粋で
 美しいんです
 
 
21  22 91/01/28 21:46 YAMAZAKI  1 随筆(7) さだきち
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91/01/28 21:46:27 YAMAZAKI 随筆(7) さだきち
 
@だれにだって あるんだよ
 人には 言えない
 苦しみが
 
 だれにだって あるんだよ
 人には 言えない
 悲しみが
 
 ただ だまっている
 だけなんだよ
 言えば ぐちになるから
 
       相田みつを
 
 苦しいとき 悲しいとき
 回りが見えなくなっちゃうんだよね
 自分の殻に閉じ込もってしまって
 
 そんなとき 苦しいのは 悲しいのは
 自分だけじゃないってことを
 わすれちゃだめだよ
 
 人間は 誰しも それを 乗り越えて
 生きてきたんだよ
 
 明るく振る舞える人ほど
 多くの苦しみや悲しみを
 乗り越えて きているんだよ
 きっと 
 
 だから 明るく できるんだよ
 
21  23 91/01/28 21:46 YAMAZAKI  1 随筆(8) さだきち
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91/01/28 21:46:48 YAMAZAKI 随筆(8) さだきち
 
 いま
 ここにしかない
 わたしの いのち
 あなたの いのち
     相田みつを
 
 つまづいたり ころんだりした おかげで
 物事を 深く考えるようになりました
 
 あやあちや 失敗を 繰り返した おかげで
 少しずつだけど
 人のやることを 暖かい眼で
 見る事ができるようになりました
 
 何回も 追い詰められた おかげで
 人間としての 自分の弱さと だらしなさを
 いやというほど 知りました
 
 だまされたり 裏切られたりした おかげで
 馬鹿正直で 親切な 人間の暖かさを 知りました
 
 そして・・・
 身近な人間の死に逢うたびに
 人の命のはかなさと
 いま ここに
 生きていることの尊さを
 骨身にしみて味わいました
 
 人の命の尊さを
 骨身にしみて 味わった おかげで
 人の命を ほんとうに大切にする
 ほんものの人間に裸で 逢うことができました
 
 一人の ほんものの人間に
 めぐり逢えた おかげで
 それが 縁となり
 次々に 沢山のよい人に
 めぐり逢うことができました
 
 だから わたしの まわりにいる人たちは
 みんな よい人ばかりなんです
 
21  24 91/01/28 21:47 YAMAZAKI  1 随筆(9) さだきち
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91/01/28 21:47:12 YAMAZAKI 随筆(9) さだきち
 
@一生感動
 一生青春
      相田みつを
 
 人間を根底から動かすものは、むずかしい理論や理屈ではなくて、命の感動ですよね
 
理屈や理論では、人間は動きませんよ。
 
 その証拠に感動という言葉はあっても、理動という言葉はないもんね。
 
 反抗期や登校拒否の子供が大人をてこづずらせるのは、そのよい例ですよ。
 
 口で、いくら言ったって、よくはならないよ。
 
 理論や理屈は、頭の一部で作るものだから、頭のいい人にはかなわないよ。でも、感動
は、命の全部だから、頭のいい悪い、学歴の有る無しには関係ないんだよ。そして、感動
には、お金が一銭もかからない。
 
 感動こそが、人間が人間として生きている証ですよね。
 
 戸籍上の年齢に関係なく、毎日何かに感動し、心ときめくこと、それを青春と呼びたい
ですね。
 
 最近は、若年寄りが増えているような気がしませんか?
 
 なんか覚めている若者が多いような、そう思うのは、僕だけでしょうか?
 
 これも、時代の流れなんでしょうか、でも回りも悪いと思う。なんかと言えばすぐに、
ピイチクパーチクと、口出しする親や大人が多いからね。
 
 
21  25 91/01/28 21:47 YAMAZAKI  1 随筆(10) さだきち
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91/01/28 21:47:37 YAMAZAKI 随筆(10) さだきち
 
 その時の 出逢いが
 人生を 根底から
 変えることがある
 よき出逢いを
    にんげんだもの
       相田みつを
 
 人間には
 三つの 出逢いがあると 言われています。
 その三つとは
 
 よき師との出逢い
 よき書との出逢い
 よき友との出逢い
 
 師というのは、学校の先生じゃないよ。自分がこんな人間になりたいなーー
 
っていう人のことです。
 
 よき書というのはね。よく座右の書っていう言葉がありますが、そんな書です。
 
 いつも、枕のそばに置いておきたい書ですね。
 
 よき友ってのは、喜びも悲しみもわかち合える友達だね。
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