93/04/21 00:19:52 ジグムント 山口弁について −共存と発生− 
 
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山口県は本州の最西端に位置し、三方を海に囲まれた大小の島々や長い海岸線を持つ。
そのため中央近畿と九州を結ぶ文化や勢力の廊下的役割を担ってきた。また、中国産地
は東高西低の丘陵・台地であり、河川の大半は南北に流れ、山陰・山陽の連絡を容易に
した。このため方言の南北差を小さくし、山陰側までも山陽方言域を広げている。また
一方歴史条件の方言の生成に関わり深い。本県は1300年の中葉以降、500年間も
あいついで防長2カ国一体の形で大内、毛利の領有下にあった。このことから言語の共
通性がひろい。とくに長州藩制は言語差を最小限にとどめ、独特の方言圏を形作らせた。説法中心の浄土真宗の布教の強さや郷校・寺小屋の全国屈指の普及率は、防長方言の藩
内流布や存立にあずかって力があった。また、山口弁が九州弁に比べてやわらかいのは、京言葉の影響によるとされ、平家一門の滅亡、大内文化の伝承などもその遠因とされて
いる。なお、共通語に近いものがかなりあるがこれは明治維新のはじめ、県民の一部が
中央官吏として東京に移住したためであるといわれ、また「であります」言葉のように
軍隊語に移入され普及したためともいわれている。今後、方言は生活語に対する認識が
深まることにより、高い方言意識が育てられ、共通語と調和しながら存立するものと思
われる。
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山口県方言区画表(1)(2)
 
 
 
              ・・大島方言
              ・
              ・       ・・・岩国方言(岩国藩域方言)
      ・・周防方言・・・・東周防方言・・ 
      ・       ・       ・・・玖珂・熊毛方言
      ・       ・
      ・       ・       ・・・都濃方言
      ・       ・・西周防方言・・
      ・               ・・・吉佐方言
山口県方言・・
      ・               ・・・阿武方言
      ・       ・・北長門方言・・
      ・       ・       ・・・大津方言
      ・       ・
      ・       ・       ・・・美祢方言
      ・・長門方言・・・・南長門方言・・
              ・       ・・・厚狭方言
              ・
              ・・豊関方言(調布藩域方言)
 
                         
 
                ・・大島方言   ・・
                ・         ・
                ・         ・
      ・・山口県東部方言・・・錦川流域方言  ・・周防方言
      ・         ・         ・
      ・         ・         ・
      ・         ・・・波川流域方言 ・
      ・
      ・
      ・         ・・厚東川流域方言・・ 
      ・         ・         ・・  南長門方言東部
山口県方言・・・山口県中部方言・・         ・
      ・         ・         ・・  北長門方言東部
      ・ 椹野川以西   ・・阿武川流域方言・・
      ・ 厚東川以東          
      ・
      ・         ・・厚東川流域方言・・・・ 南長門方言西部
      ・         ・         ・
      ・・山口県西部方言・・         ・・・ 北長門方言西部
                ・         ・
        厚東川以西   ・・豊関方言   ・・・・ 豊関方言
 
 
「山口県百科事典/方言」から引用
 
 
 
 じぐむんと

ShoukaSon-Jyuku
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