<電光放電のエネルギー>        [HIDE]
 
【放電のエネルギー】
 落雷・雲放電をとわず、電光放電によって中和される電荷と放電路の長さの代表値が
判明しているので、電光放電のエネルギーを評価することが出来る。
 その代表値で試算してみると、約100万KWにもなり、第1級の火力発電所相当と
考えることが出来る。
 
 エネルギー総量と供給の問題が、世界的な規模で深刻化している今日、一塊の雷雲あ
たり100万KW工率は、これに寄与し得る大きさであるが、エネルギー資源としての
利用が問題にされないのは、その利用の困難さにある。
 雷雲の活動には、エネルギー源として必要な、供給の連続性が保障されないばかりで
なく、エネルギー源となる電荷分荷が、大気中数kmの範囲に分布し、これを放電によ
って消費することなく、収集し伝送する手段を工学的に考えることが出来ないためであ
る。
 
【当面の問題】
 したがって当面の問題は、人体・家畜から建造物・電気設備等に及ぼす落雷の破壊作
用を予防・除去し、また今日人間生活のあらゆる面で活用されているエレクトロニクス
装置に及ぼす、電光放電の悪影響を防止することにあり、これに付随し農業の問題とし
ては雷雨に伴う降雹の被害を防ぐ手段が考慮されている。
 
 殊に最後の問題では、幼年期の雷雲を予測し、これにロケットで人工降雨剤を打ち込
み雲が成年期に発達する以前に、降雨を促進して、発雷・降雹のエネルギーを未然に散
逸、解消させる手段も開発され、ソ連では既にこれが実用されていると報じられている
 
 雷災防止の積極的手段としてこのような方式を更に開発することも考えられるが、気
象を人工的にコントロールすることについては、単なる気象技術上の問題だけではなく
環境問題・社会問題等あらゆる観点をふまえて検討しなければならないので、このよう
な手段の開発を進めるには、今後十分な評価をふまえることが必要と考えられる。
 
●PC−VANの山口BDから許可を得て転載させていただきました。
 ありがとうございました。

ShoukaSon-Jyuku
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