96/02/18 13:07:29 (-KURO-) 身近な自然の教材化
 
 
        身近な自然の教材化の取り組み結果
                      生雲中学校教諭 御幡正章
1 はじめに
 本年度は、昨年度に試験的に作成したソフトウェア「KiT生雲周辺のキノコ検索」を実地に授業
でどのように使えるかを確認した。また、生雲川の水質調査に関しては、さらに資料を
増やすために生徒とともに調査範囲を広げて行った。以上の2点に関してその概要をま
とめることにする。
 
2 生雲のキノコを使った授業について
(1) 動機など
 生雲中学校は背後に山をひかえ毎年、秋になるとたくさんのキノコが自生することが
わかった。これを教材として生かせないかと考え標本を作成したり写真を撮ったりして
資料を集めてきた。授業では、3年生の自然界のつりあいで生産者・消費者・分解者を
扱うが、この中で裏山の自然観察を行い、到木が朽ちている様子・落ち葉の様子・また
土中の生物採取などを行ってきている。この中で例年キノコの採集も行っている。毎回
生徒達からは名前を聞かれて答えているが、この部分について分類の学習が可能ではな
いかと考え資料をもとに昨年度ソフトウェアを開発し作成途中で使用した。今年度は、分類学
習をメインとし2年で実施しあわせてソフトウェアの実用性を試してみたいと考えた。
 
(2) 実施の流れ
 ア 事前指導として授業の終わり10分間で、ソフトウェアを利用しガイダンスを行っ
  た。
 イ 2単位時間を使い、そのうちの1単位時間でプリント・荷札・筆記用具・ビ
  ニール袋を個人に持たせ採集を行わせた。なお一人1種類の採集とした。採集
  したキノコに関して記録を取らせた。次の1単位時間で、分類の観点を教えソ
  フトウェアでの検索を行わせ、また
  簡単なスケッチも行わせた。
 ウ 乾燥が完了した時点で、台
  紙に記録したプリントを貼り
  付け、乾燥した標本はビニー
  ル袋に入れてホチキスでとめ
  展示できるようにした。(文
  化祭での展示とした。)
 
(3) 実施結果
 今回利用した荷札は手軽で乾燥時の混同を防ぐことが出来た。ただし軽く巻かせない
と形を崩してしまうことに注意させたい。キノコの分類については分類の観点にはどの
ようなものがあるのかは理解させることができた。問題点としてはケロウジなど柄があ
るのかないのか傘があるのかないのか悩む生徒がいたことや、最終場面で該当するキノ
コのないものや、実際の写真またはスケッチがなく判断のできない場合もあり、検索ソ
フトとしてはまだまだ実用性には程遠いことを実感した。
 現在のところ、きわだった特徴がありデータのあるものを検索させるという使い方に
限定されている。
 FDなら2枚までのデータ量に限定されていたがHDDが使える環境ともなりデータ
量に制限がなくなったので写真資料を現在は加える方向で検討している。
 県内には「なばの会」もあり会員でもあるのでこうした会を利用しさらにデータ収集
を行い完成させてみたい。
 
3 生雲川水質調査について
 3年男子生徒5名と2年男子生徒1名の協力を得て平成7年7月21日・26日に実
施した。結果は、上流から笹の口(A)・姥金(A)・古市排水上(AからB)・古市
排水下(AからB)・天子上(AからB)という結果になった。
 
 
下の図はAの得点の全体の割合をグラフにしたものである。上流から少しずつ水が汚れ
てきている結果がわかる。参加した生徒達は川の汚れに関心を持ってくれた様子であっ
た。
 
            写真(ここではカット)
 
 
 今後も川のデータを集め結果をまとめておけば生徒に身近な問題として考えさせる教
材となると思われる。
 
4 最後に
 本年度当初には見明先生を講師に招いての研修が予定されていたが急な死去で中止と
なった。身近な自然の教材化を提唱されていらしたことが今更ながら思い出される。フ
ィールドワークをと考えながら無為の1年であったのが悔やまれる。理科の教師として
来年度を充実させたい。
 
--SUBTITLE-----
 
乾燥標本
台紙につけた記録
生雲周辺のキノコ検索画面
画像データ資料例
調査風景 7月26日
----------------------

松下村塾 Yicin-Net
■もどる inserted by FC2 system